日本 Terrain シーナリ作成キット : Ver 1.3
はじめに
FS2000/FS2002 では、Terrain シーナリが使用できるようになっています。
このシーナリは、メッシュ状の標高データを用いて地表面を正確に描画する
というもので、山岳や島などの起伏を非常にリアルに再現することができます。
しかし、FS2000/FS2002 のデフォルトの Terrain シーナリは、
1km メッシュの標高データを使っている(と思われる)ので、
地表面の作りがおおざっぱです。特に富士山の形状が
最悪で、幻滅したかたも多いでしょう。
Microsoft から公開されている Terrain SDK を使うと、Terrain シーナリを
自作することができます。
本キットは、Terrain SDK と国土地理院の数値地図 50m メッシュ(標高)を使って、
日本全国の詳細シーナリ(これを日本 Terrain シーナリを呼ぶことにします)
を生成するためのキットです。
これにより、非常に精細なシーナリを楽しむことができるようになります。
本キットに入っているもの
- readme.html : あなたが今読んでいるもの
- mem2bgl.html : mem2bgl ツールの利用方法
- jterrain.exe : 日本Terrainシーナリの生成プログラム
- fuji.exe : 富士山シーナリの作成用プログラム
- mem2bgl.exe : 数値地図を BGL 形式に変換するツール
- src フォルダ : 上記プログラムのソースファイル
準備
まず、いくつか入手しなければならないものがあります。
数値地図
本キットでは、国土地理院が発行する数値地図 50mメッシュ(標高)を使用します。
これは、CD-ROM で販売されていて、日本T〜Vまであります。各7,500円です。
全国有名書店、日本地図センターで入手できます。ちなみに、
私は LAOX ザ・コンピュータ館で入手しました。
詳細は国土地理院のCD-ROM版数値地図についてのページを参照してください。
Terrain SDK
数値地図をシーナリに変換するためのドキュメントとツールのセットです。
こちら
から入手してください。Developer's Desk → FS2000 SDK → The Terrain
SDK にあります。
SDK に含まれる resample.exe, tmfcompress.exe, tmf2bgl.exe ファイルを、
jterrain.exe、mem2bgl.exe と同じフォルダにおくか、PATH の通ったディレクトリに置
いてください。
シーナリを生成する
数値地図の CD-ROM をドライブにセットし、
jterrain.exe をダブルクリックして実行してください。
データのフォルダ名を聞いてきますので、キーボードから入力し、Enter キーを
押してください。CD-ROM のドライブ名が D: なら、'D:\data' と入力します。
これで、シーナリの生成が始まります。文字が大量に流れていくと思いますが、
内容は気にしなくて結構です。完了まで数十分かかりますので、しばらく
待ってください。
なお、CD-ROM から直接データを生成すると時間がかかるので、HDD に余裕があれば、
全部のデータを HDD にコピーしてから作業すると良いかもしれません。
このとき、複数の CD-ROM (日本I/II/III)を同時に処理したい場合は、
いったんデータをすべて同じディレクトリにコピーしておくと、
一回で全て処理できます。
処理が完了すると、このフォルダに BGL ファイルができています。
シーナリの解像度を変えたい場合
デフォルトでは、各データの解像度は、約 150m になっています。
これは、シーナリのサイズ、描画速度、画質のバランスが取れるちょうど
良い値だと思いますが、マシンパワーが十分ある場合にはもう少し
解像度を上げることが可能です。
解像度を変えたい場合は、"jterrain.exe 9" などのように、引数に LOD 値
を指定してください。LOD は Level of Detail の略で、以下の値が使用
できます。
- 8 : 解像度 153m (デフォルト)
- 9 : 解像度 76m
- 10 : 解像度 38m
7 以下の値や 11 以上の値も一応指定できますが、7 以下では正しくシーナリが
生成されません。また、11 以上にしても元のデータが解像度 50m しかありません
ので意味はありません。
なお、FS2000 は Terrain シーナリの扱いがあまりよくないので、
マシンパワーがあっても LOD = 9, 10 はツライと思います。
FS2002 ではかなりマトモになっています。
富士山シーナリの生成
富士山近辺のみの詳細なシーナリを生成するためのプログラムを添付しています。
日本IIのCD-ROM をセットし、fuji.exe を実行して指示に従ってください。
fuji.bgl ファイルが生成されます。このシーナリは、約 30m (LOD=10)の
解像度となります。
シーナリをインストールする
シーナリをインストールするフォルダを作り、さらにこの中に
scenery と texture というフォルダを作ります。生成された
BGL ファイルを全て scenery フォルダに入れてください。
FS2000/FS2002 を起動し、シーナリライブラリに先程作成したフォルダを指定
してください。
これで、シーナリが表示されるはずです。
注意事項
日本 Terrain シーナリを利用するには、最低でも 128MByte
のメモリが必要です。これ以下の場合は、スワップが大量に発生してしまうので
実用に耐えません。
ちなみに、作者は 512MByte メモリを積んでいます。
制限事項
本キットは無保証です。
動作検証はあまりしていませんので、何が起こっても私は一切関知しません。
本キットの再配布は自由ですが、public domain ではありません。著作権は
村上卓弥が保持しています。
なお、生成された BGL ファイルを再配布したい場合は
国土地理院の許可が必要になります。問い合わせ先は、CD-ROM 内の
ドキュメントに書いてあります。私に問い合わせないように。
バージョン履歴
- 2000/7/15 : ver 1.0 : 初版
- 2000/7/29 : ver 1.1
- Windows 9x で動作しなかったバグを修正
- mem2bgl に -f オプションを追加
- NullCellValue 処理追加
- その他バグ修正
- 2001/12/2 : ver 1.2
- 海面の標高をすべて 0m に設定しなおした。
これにより、海岸線に穴があく現象が回避されている。
(YOSIさん、情報 Thanx!)
- 2001/12/4 : ver 1.3
- クレバス状の穴が開く問題を改善した。
- LOD 値を指定できるようにした。
- ドキュメントを改訂。
村上 卓弥 - tmurakam@mtd.biglobe.ne.jp
WebSite : http://flightinfo.ens.ne.jp/tmurakam/